賃金不払い不当解雇などの労働問題

賃金の不払いをなんとかして!

 労働者にとって給料日は何よりうれしいものです。
しかし、その給料日に給料が支払われない場合があります。
たとえばこういうケースです。

 勤めている会社は10日が給料の支給日だが、最近経営状況があまりよくないらしく、ここ2ヶ月給料が全く支払われていない。
社長に聞いてみると、「すまない、支払うめどは立っていない、みんな苦しいんだ、我慢してくれ」とのこと。
会社のピンチということで従業員も我慢しなくてはならないかとも思うが、このままでは生活していけない。
どうしたらよいか?

〜会社がピンチなのはわかるが、このままでは生活ができない〜

ポイント

 賃金は労働者の生活を支えるものです。
毎月の給料が正しく期日に支払われることによって労働者の生活は成り立っています。
また来月の給料も当然支払われるだろうということで、労働者も家計をやりくりしています。
なので、いざ給料が支払われないとなると、労働者にとっては大問題となります。
そこで法律(労働基準法)では賃金の支払いに関して細かに定めています。

賃金支払いの5原則(労働基準法第24条)

通貨払いの原則

 労働協約等で特別に定める場合を除いて、通貨で支払わなければなりません。
つまり現物支給は認められないということです。
(金がないからといって、自社製品を給料として支給することは原則できない)

直接払いの原則

 賃金は直接労働者に支払わなければなりません。
これは手渡しを意味するのではなく、銀行振り込みでも全く問題ありません。
親や代理人に支払ってはならないという規定です。

全額払いの原則

 税金などの法令に直接の規定がある場合、労使協定で特別な定めをしていない限り、賃金から一部を差し引いて支給することはできません。

毎月払いの原則

 賃金は毎月1回以上支払わなければなりません。(賞与や臨時給料は除く)
2ヶ月分まとめて払うなどは許されません。

一定期日払いの原則

 賞与など臨時に支払われるものを除いて、一定期日に支払わなければなりません。

さらにポイント
〜給料は優先的に支払われる〜

 例えば、取引先への買掛金の支払いと、労働者への賃金の支払いがあったとします。
この場合、使用者は何においても労働者への賃金の支払いを優先させなければなりません。
これを賃金の先取特権といいます。
よって「取引先への支払いがあるから、給料の支払いをちょっと待って」は許されませんし、たとえ会社が倒産した場合であっても、何よりまず労働者への賃金の支払いが優先されます。

 よく勘違いされる使用者がいますが(私も使用者ですが)
「資金繰りが苦しいので、払う金がない」というのは、給料を支払わなくてもよい理由とはなりません。

実際に賃金を支払ってくれない場合

 まずは速やかに賃金の支払いをするように会社側に求めましょう。
その際、会社側の誠意ある対応が見られない場合は内容証明郵便による請求をお勧めします。
(労働基準監督署に相談に行くと、「まず内容証明を出されてみてはいかがでしょう」との回答が返ってくることもあろうかと思います。)

 内容証明が来ると、びっくりする使用者も多いので、誠意ある対応を示す使用者も多いかと思います。
ただし、内容証明はあくまで手紙ですので、法的拘束力はありません。
よって内容証明で反応がなかった場合は、労働基準監督署への申告をお勧めします。
内容証明を送っても満足な回答がないとなると、労働基準監督署も使用者への改善措置を検討するはずです。

 使用者は何より監督署のガサ入れを嫌う傾向があります。
よってかなりの効果が期待できるかと思います。
また内容証明を送っても反応がなければ、比較的簡単な法的手段を検討するのも一手かと思います。

支払督促

 簡単にいうと、裁判所からの督促状。
さすがに裁判所から来ると、ほとんどの使用者はびっくりするはず。
支払い命令の送達を受けた相手方が2週間以内に異議を唱えない場合は、仮執行宣言がなされる。
さらに2週間申し立てがなければ、確定判決と同様の効果をもつ。

少額訴訟

 60万円以下の金銭の支払いを求める、迅速、簡易な裁判手続き。原則1日で終了。

 支払督促、少額訴訟ともに本人が行うことを前提としている制度なので、専門家に頼まなくても十分行えます。
詳しくはお近くの簡易裁判所へお問い合わせください。
丁寧に教えてくれると思います。
(行政書士は支払督促・少額訴訟に関しては代理人及び書類作成は行えませんので、あらかじめご了承ください)

 


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